「絶対」と「絶体」は、意味合いが全然違う言葉です。
「絶体絶命」はこの表現以外に「絶体」と書くことはなく、「絶対」のほうが圧倒的によく使われます。
そのため、「絶対絶命」と誤って書かれることがしばしばあります。
目次
「絶対」について
比較や対立の概念を超えた状態を意味し、何ものにも拘束されない、比べる対象が存在しないことを示します。
例えば、「絶対君主」や「絶対の真理」などと使われ、この意味から転じて、「絶対合格する」「絶対に許さない」といった表現で、どんな状況でも必ず、という強い決意を示す際にも使用されます。
絶対の例文
・彼は絶対の信念を持って困難に立ち向かった。
・絶対に遅れないでください。大切な会議ですから。
・この問題には絶対の解答が存在しない。
・彼女は絶対的な美しさを持っていると評判だ。
・私たちの友情は絶対に壊れない。
「絶体」について
九星術における不吉な星の名称に由来する言葉です。
「絶」とは、これ以上継続不可能な極限状態を指し、「絶体」は、生存が困難な限界の状態や、体が持たない状態を表します。
すなわち、「絶体」は、逃れられない極度の困難やピンチを意味します。
文学や音楽の作品タイトルで「絶体」を含む造語が見られることがありますが、一般的には「絶体絶命」の表現かその略以外ではほとんど使われません。
絶体の例文
・彼らは絶体絶命の状況から奇跡的に脱出した。
・このままでは絶体に追い込まれるだろう。
・絶体絶命のピンチを前にしても、彼は冷静さを失わなかった。
・そのニュースを聞いて、彼女は絶体の危機感を抱いた。
・彼は絶体絶命の状態で最後の力を振り絞った。