「我が家の庭にコケが生え始めて、どんどん広がる一方です…!」
見た目も気になるし、どんどん広がるのは本当に困りますよね。
庭の片隅や家の周りだけに生えるコケも、何とかしたいと思う方は少なくないでしょう。
そこで、今回はコケを防止する有効な方法をご紹介します!
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庭のコケの種類と生える理由
庭を覆う面倒なコケ。
家や庭をきれいに保つ私たちにとっては、厄介な問題です。
庭でよく見られるコケの種類はたくさんありますが、特に多いのは
• スナゴケ
• ゼニゴケ
の2種類です。
①スナゴケの特徴
スナゴケは近くで見ると星形のような外見をしており、少し盛り上がっています。広がると芝生のような見た目になります。
庭石やコンクリート、ブロック上に生えやすく、古い神社や庭園でもよく見かけます。
見た目が魅力的なため、コケ愛好家やファンから人気があり、栽培や保護されることもしばしばです。
②ゼニゴケの特徴
もう一つ庭によく見られるコケはゼニゴケです。
ゼニゴケには、うろこ状の雄株と星形の雌株があります。雌株は短い茎が傘状に広がっています。
雌株から放出される胞子で、ゼニゴケは急激に増えます。
数日間放置すると、庭がわかめのようなコケで覆われることになります。これがゼニゴケの特徴的な現れ方です。
③コケが好む環境とその特徴
コケが繁殖するための理想的な環境には、次のような条件があります。
コケが好む条件
• 一部日光が当たる場所
完全な日陰ではなく、時折日光が差し込むような場所は、コケにとって生育しやすい環境です。
• 排水が良くない土
排水の悪い、または常に湿気を帯びた土壌は、コケが栄えやすい場所となります。
• 風通しの悪いエリア
風通しが不足している場所では、コケの胞子が近隣に拡散しやすく、結果としてコケが密集して生えます。
• 酸性の高い土壌
酸性を好むコケは、酸性度が高い土壌で特によく育ちます。
湿気が多く、梅雨の時期の庭などはコケが繁殖しやすい環境です。これらの条件を考慮し、コケが生えにくい環境を整えることが、コケ対策の重要なポイントになります。
コケ対策:効果的な方法と対応策
前にも話した通り、コケは「部分的な日差しと風通しの悪さ、排水不良が特徴の場所」でよく育ちます。
まず、庭にあるコケを取り除きましょう。(※コケの除去方法は後で詳しく説明します)
可能であれば、その場所の風通しを改善し、排水性の良い土に変えてみましょう。
鉢植えのコケも、より風通しの良い場所へ移すことで対処できます。
もし環境変更が難しい場合でも、コケが生えにくい土を作る方法が効果的です。
①土の盛り替え
湿潤な土は酸性に傾きやすく、コケが生えやすくなります。
日本の土壌は元々酸性が多く、雨水の酸性度も影響しています。
コケが好む酸性土を減らすため、新しい土を加えて改良するのが有効です。
【必要なもの】
園芸用の土(ホームセンター等で入手可能)
シャベルやスコップ
【手順】
コケを生やしたくない場所に新しい土を適量追加します。
シャベルやスコップで平らに整えます。
土の盛り替えによって排水性が向上し、土壌の質も改善されます。
ただし、盛り替え後は土を均一にすることが大切です。均一にしないと、雨水が溜まりやすくなります。
②石灰の混入
石灰を混入すると、土が中性か弱アルカリ性になり、コケの繁殖を抑えることができます。
しかし、アルカリ性土に弱い植物が近くにある場合は、注意が必要です。
【必要なもの】
粒状の消石灰(苦土石灰や有機石灰でも可能)
シャベルやスコップ
ゴーグル、作業服、手袋など
【手順】
コケの生える場所を約30cmの深さまで掘り起こします。
消石灰を薄く均等に散布します。
シャベルやスコップで土と混ぜ合わせます。
粒状の消石灰が推奨されますが、粉状の場合は風で飛び散ることに注意してください。
消石灰、苦土石灰、有機石灰などがありますが、消石灰が土をアルカリ性に変えやすいです。
家に苦土石灰や有機石灰がある場合、またはコケのない環境で他の植物を育てたい場合は、これらを使用しましょう。
石灰は種類に関わらず、目や皮膚に触れたり、吸入すると有害ですので、作業時には適切な保護具を着用してください。
コケの除去と予防は手間がかかりますが、庭の見た目を改善し、虫害などの二次的な問題を防ぐためにも重要です。
庭のコケ放置による予期せぬ問題
一般的な家庭の庭に多く見られるゼニゴケを放置すると、意外な問題が生じることがあります。
ゼニゴケの存在する場所では、ダンゴムシやナメクジ、カタツムリなどの虫が増えやすいです。
これらの虫は更に他の虫を呼び寄せ、庭の植物を害することがあります。
このような事態は近所にも迷惑がかかることがあるため、コケを発見したら速やかに対応することが望ましいです。
効果的な庭のコケ除去方法
ここでは、庭に生えたコケを効率的に取り除く方法について説明します。
①手作業によるコケの除去
コケが限られた範囲に生えている場合、手作業による除去が有効です。
【用意するもの】
スコップや草取り用具
作業用の手袋
【手順】
コケが生えている部分にスコップや草取り用具を使って、表面を削ぎ取るようにしてコケを除去します。
取り除いたコケは廃棄するか、日光に晒して乾燥させた後に処分します。
作業中は手袋を着用し、安全に注意してください。
②酢を使ったコケの枯らし方
広い範囲に広がったコケや、コンクリート、庭石、建物の壁に生えているコケには、酢を使った方法が効果的です。
【用意するもの】
水(通常の水道水で可)
食用酢
スプレー容器
【手順】
食用酢を水で約5倍に薄め、スプレーボトルに入れます。
コケの生えている箇所にこの溶液をスプレーします。
数日後、コケが枯れたら取り除きます。
酢の作用でコケは数日で枯れるものの、他の植物にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
コケの隣に大切な植物がある場合は、ハケで酢水をコケだけに塗る方法も良いでしょう。
③熱いお湯でコケを枯らす対処法
コケが生えている箇所に熱いお湯をかけると、高温の影響でコケが枯れてしまいます。これは広範囲に生えたコケに特に有効ですが、周囲の植物にも影響を及ぼす可能性があるため、慎重に行う必要があります。
【用意するもの】
沸かしたお湯
作業用の手袋
【手順】
コケが生えている箇所に沸かしたお湯を注ぎます。
数日経ってコケが枯れたら、取り除きます。
※熱いお湯を使う際は、やけどに注意してください。
④専門のコケ除去剤を活用する方法
酢のスプレーでは効果がない強いコケに対しては、コケ専用の除草剤の使用が効果的です。
除草剤を使用する際は、目や皮膚に入らないようにゴーグルと手袋の着用が推奨されます。
小さな子どもやペットがいる家庭では、除草剤の使用に際して特に注意が必要です。
まとめ
コケが好む環境は、少し日が当たり、風通しや水はけが悪い場所です。
ゼニゴケを放置すると、ダンゴムシやナメクジなどの虫が増え、二次的な問題が発生することがあります。
コケが生育しにくい環境は、日当たりが良く、風通しや水はけの良い場所、またアルカリ性の土壌です。
コケを取り除いた後は、コケが生えにくい環境をできるだけ整えましょう。
日当たりや風通しが変更できない場合は、盛り土をするか、石灰を混ぜて土壌をアルカリ性に保つことが効果的です。
コケ除去の方法には、スコップで削ぎ取る、熱いお湯をかける、酢を使う、専門の除草剤を使う方法があります。
作業を行う際には、やけどやけがを避けるためにゴーグル、手袋、作業着の着用が重要です。