【異常と異状の違い】それぞれが持つ意味

異常と異状のちがい

「異常」と「異状」は、一見似ているようでいて、その用途や意味合いには大きな違いがあります。日常生活の中で起こるさまざまな状況を適切に表現するためには、これら二つの言葉を正確に使い分けることが重要です。

目次

「異常」について

「正常」でない、もしくは平常ではない状況を指します。
この場合、その反対は「正常」となります。
「異常」は形容詞や形容動詞として活用可能で、「異常な気温」や「異常に増加する」などと用いられます。

異常の例文

・今年の夏の気温は異常に高く、熱波が長期間続いている。
・彼の行動は異常なほど慎重で、常に周囲を警戒しているようだ。
・コンピューターの動作が異常に遅いため、ウイルスに感染している可能性がある。
・この地域での降雨量は異常で、数十年に一度の記録を更新した。
・彼女の体温は異常に高く、すぐに病院に連れて行く必要がある。

 

「異状」について

日常と異なる特定の状況を意味し、「普段と異なる様子」を指します。
「異状」は名詞としての使用に限られ、「異状あり」や「異状なし」といった表現があります。

異状の例文

・巡回中に門に異状があることに気づき、すぐに調査を開始した。
・夜中に突然、家の外から異状な音が聞こえてきた。
・彼の部屋から異状なにおいがするので、何か腐敗している物がないか探してみた。
・通常は人通りの少ないこの道に、今日は異状なほどの人だかりがあった。
・会議中に急に体調に異状を感じ、その場を離れざるを得なかった。

 

 

これら二つの言葉を使い分ける際の難しさは、特に名詞として使う場合に顕著です。どちらが「常」に関わるのか、「状態」に関わるのかの見極めは難しいことがありますが、具体的な数値に基づいて異常が確認できる場合は「異常あり」と表現し、感覚的に日常と違う様子を感じた際は「異状あり」とします。

 

 

例えば、喉に異物感がある場合は、普段と異なる「異状あり」とされますが、喉に腫瘍が見つかった場合は、それが正常ではない状態であるため「異常あり」となります。警備を行う際、何も異常がなければ「異状なし」とし、何かしらの異変を感じた場合は「異状あり」、不審者の侵入などがあれば「異常事態」と表されます。

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